パーフェクト・インパーフェクト



そして、ついに、夏の終わり、
あの男が日本一の男子高校生に決定した。


「グランプリは高校3年生の国茂雪夜さんです!」


わっと歓声が湧く。


盛大な拍手のなかでスポットライトに照らされ、一歩前に出てきた美しい顔は、満足そうに小さくうなずいた。

こんなのは当然とでも言うような表情。


なんだその顔は。
もっと感極まりやがれ。


わたしは準グランプリに輝いた水無月(ミナヅキ)紗良(サラ)くんを推していたんだけどね。

クールな感じが雪夜の1億倍は素敵だもん。


「国茂くん、おめでとう」


それでもこれは仕事なので、トロフィーを抱えて赤いマントをかぶった雪夜のもとへ向かい、そう笑いかけると、クソ生意気な親戚の男の子も白々しく笑んだ。


ありがとうございます、だって。

かわいげのかけらもないな。


顔は、美しいけど。


「それでは上月杏鈴さんから、国茂雪夜くんへ、頬にキスのプレゼントをお願いしまーす!」


ああ、公開処刑とはこのこと。

帰ったら、うちのママとか、ちあきおばちゃんに、嫌ってほどからかわれるんだろう。
海帆にもぜったいなんか言われる。


最悪だ。

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