パーフェクト・インパーフェクト
“日本一の男子高校生”に輝いた国茂雪夜は、またたく間に全国ネームとなった。
特に10代女子のあいだでは、すでにアイドル並みの扱いみたい。
さすがのポテンシャルだと、こればっかりは彼の持つ実力を認めざるを得ない。
「ユキとアンちゃんがいっしょに写って雑誌に載ってるなんて夢みたーい!」
「アンちゃん効果でお兄ちゃんがほんとにモデルさんみたーい!」
なにも知らないちあきおばちゃんと海帆が無邪気に雑誌をめくっている。
雪夜とわたしのデート特集は、自分でもなかなかの出来だと思うけど、撮影の裏側ではいままでのどんなそれよりもいちばん苦労したのだ。
だって、撮影中にもかかわらず、いつもの調子で何度か喧嘩になりかけた。
雪夜がすぐイランことをふっかけてくるの。
それでも、わたしのほうが“業界”の人だから、トラブル(わたしたちにとってはつまんない喧嘩だけど)にならないよう、受け流すのにひと苦労だった。
あいつ、ぜったいわざとやっていたと思う。
見てくれだけは日本一よくても、やっぱり性格のほうは日本一終わっている。
「SNSでも話題だよ。お兄ちゃんとアンちゃんのこと、すーっごいお似合いだって!」
雪夜の妹にしては本当にいい子に育ったと思うけれど、海帆も確実に、兄の血を引いているところはあると思う。
イヤ~な感じのからかい100%の顔で見せられたSNSの画面を、雪夜とふたりでゲンナリしながら覗きこんだ。
「『ほんとにつきあっちゃえばいいのに』だってえ」
海帆はぷぷぷーと笑うけど、こっちは思わず、ぎくりとしてしまった。