パーフェクト・インパーフェクト
「彼氏がいたら、こんなかっこいいお兄さんたちとゴハンなんてお願いしないですよう」
一方でリアは平然と言ってのけた。
こちとら、いまけっこうプッシュされてるあの若手俳優とスキスキチュッチュなメッセージを送りあっていることなら、ちゃんと知っているんだからな。
まあ、たしかにつきあってはないんだけど。
だから『彼氏はいない』で正解だ。
解せぬ。
「モデルって案外モテないんですっ。気が強そうとか、プライド高そうとか言われて……」
なんだそれ。
よくもそんなことが言えたな。
モテにモテを重ねてきたくせに!
と、思いながらぐびぐびコーラを飲んでいたら、いきなり両肩をわしっと掴まれた。
きれいに彩られた指先。
小さなパールが上品な光を宿しているのが超絶かわいくて、今度のネイルはわたしもパールにしようって勝手に決めている。
まねっこ。
でもリアはそういうのをぜんぜん嫌がらないどころか、いつもすごく喜ぶ。
おそろいとか、けっこう好きなほうらしい。
「アンちゃんなんて、“いない歴=年齢”ですよ?」
「ハァ? ちょっと!」
突然なんてこと言ってくれてるわけ!
「だってほんとじゃーん」
違うじゃん。
本当のことだから、困るんじゃん!
「マジで?」
アキさんが信じられないというまなざしでわたしを見る。
常にポーカーフェイスを崩さない瀬名さんも、さっきまで怒っていた弟さんも、さすがにちょっと驚いたように目を見張っている。
皆川さんの顔は見られなかった。
逃げるように、うつむいてしまった。