きっとこの輝きは消えないでしょう。
「なんで、ここは人が少ないんですか?」
直球に聞きすぎたのか、不意につかれたのか、ニーナさんは目を見開いた。
それは一瞬だった。
「こんなものまで容易く受け渡してしまう。なぜです?」
これだけ綺麗なモノが集まっているのに、もったいない。
これはあえて一般論として考える。
「このお店はどうして、」
「……わかったわ。話をしましょう」
オレの言葉を遮ったニーナさんの顔は、先ほどの明るいものとは真逆で、とても切なさに満ちていた。
オレ達は1階へ下りて、テーブルを挟み向き合いがちに腰を下ろした。
「はい、どうぞ」
「……ありがとうございます」
目の前に今度はマグカップを置かれた。
注がれたものはココアだ。
甘い香りが鼻腔をくすぐる。
オレは彼女が言い出すのを待つ。
大きく呼吸を2回繰り返したあと、ニーナさんはこう切り出した。
「『伝説』を、あなたは知ってるかしら?」と。