冷徹副社長と甘やかし同棲生活

「ああ、全くしない。実をいうと、苦手なんだ。……家事全般」

「副社長にも苦手なものがあるんですね!」

「当たり前だろ、俺だって人間だ」

 拗ねたような顔をして、冷めかけたコーヒーをすする。
 その様子がおかしくて、今度は私が笑う番になった。


「……あんまり笑うな」

「ごめんなさい、なんだかおもしろくて。じゃあ、そろそろ、買い出しに行ってきますね」

「スーパーとATMは二階にあるから利用するといい。一人で大丈夫か? 米や調味料を買ったら重くなるだろ」

「大丈夫です。意外と力持ちなので」

「そうか。何か困ったことがあればいつでも電話しろ」


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