冷徹副社長と甘やかし同棲生活

……どうして、こんなに落ち込むのだろう。

 答えが見つからないまま、38階に到着した。廊下を歩いている間に気持ちを切り替えて、家政婦としての仕事をこなそう。

 扉の前で笑顔を作って、ICカードをかざしてロックをはずした。


「ただいま戻りました」

「おかえり。スーパーとATMの場所は分かったか?」

「大丈夫でした。すぐに取り掛かりますね」

「よろしく頼む。そういえば、お前がいない間に荷物が届いたから、旅行バッグと一緒に部屋においといたぞ」

「ありがとうございます」


 昼食を作ったら、次は荷ほどきをしないといけないな。それよりも、他の部屋の掃除が先かもしれない。
 頭の中で段取りを考えながら、料理の準備を始めた。

 
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