冷徹副社長と甘やかし同棲生活
ニ十分ほどかけて昼食と夕食に必要な食材を選び、店を出た。

 エレベーターを待っている間、乗っている間はずっと副社長のことを考えていた。いくか気になっていることがあるからだ。

 まず、副社長は料理を全くしないのに、どうして調理器具がそろっているのだろう。お皿やお箸、コップも十分あった。

同様に、廊下のクローゼットの中には掃除道具が充実していた。掃除も苦手そうなのに、なぜ置いてあるのだろう。


 やっぱり、誰かと一緒に住んだことがあるのかも。
 おそらく、料理と掃除が得意な女の人……。

 前の彼女が使っていたものをそのまま残して、違う女に使わせるなんて、デリカシーがない人なのかもしれない。考えるだけで気がめいりそう。


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