冷徹副社長と甘やかし同棲生活
料理を並べ終え、副社長と向かい合うように座った。こうやって座るのは、面接のとき以来かもしれない。今は、あの時よりもぐっと距離が縮んでいる。
整った顔を間近で見ながらの食事なんて、すごく緊張する……!
「一つ言っておく。俺は味にうるさいから、覚悟しておけ。一般家庭のキッチンで、かしわぎの味が出せているかどうか、吟味させてもらおう」
「は、はい。お願いします」
副社長のプレッシャーを受けて、ますます緊張してしまう。どうしよう、すごく怖い。
太ももの上に置いている手が、自然と汗ばんでいく。固唾を飲んで、副社長が味見をする様子を見守った。
「……なんだこれは」
「だ、ダメでしたか?」