冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「最高にうまいじゃないか! 完璧だ」
拍子抜けして、椅子から滑り落ちてしまいそうだった。
店の味は出せていないというのに絶賛するなんて。副社長の胃袋を掴むのは、意外と簡単なのかも。まあなんにせよ、おいしそうに食べてくれて嬉しい。
「副社長、ご飯のおかわりありますよ」
「ありがとう。早速もらおうか」
副社長のお茶碗は、もう空っぽになっていた。お茶碗を受け取り、ご飯をよそって渡す。
「副社長、どうぞ」
「……その呼び方、変えるか」
「え?」
「役職で呼ばれると、どうも休んでいる気がしない。家にいるときは名前で呼んでくれ」