冷徹副社長と甘やかし同棲生活

 シャワールームへの扉には背を向けていたため、椿さんの存在に全く気がつかなかった。

 お玉を置いて後ろを振り向くと、椿さんは上半身裸の状態で立っていた。
 彼の肉体はほどよく筋肉がついていて、腹筋も割れていた。肩にかけたタオルで濡れた髪を拭くしぐさが色っぽくて、たまらず顔を反らす。


「ちょ、ちょっと椿さん! なにか着てください!」

「なにかって……ちゃんと履いてるだろ」

「上もです!」


 椿さんはその状態のままこちらに近づいてくる。私は反射的に彼と距離をとっていた。
 後ずさると、背中が冷蔵庫とぶつかった。もうこれ以上は動けない。

 椿さんは意地悪な笑みを浮かべ、追い込むようにじりじりとちかづいてきた。


……いったい、この状況は何? 頭のなかはパンク寸前だった。

 



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