冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
「柏木、お前……男の裸に慣れてないのか?」

 私を囲うように、冷蔵庫に両手をつく。お互いの鼻がぶつかりそうなくらいの距離。いつもより低くて、艶っぽい声。鋭い瞳で見つめられて、目が離せない。

 心臓がバクバクして、息をするのも忘れてしまいそう。


「こんなに顔を赤くして、何を期待している?」

「……きたい、なんて」


 どうしてだか、うまく声が出せなかった。自分でも動揺しているのがわかって、ますます混乱してしまう。椿さんの視線に耐えられなくなり、ぎゅっと目をつむった。


「悪のりしすぎたかな」


 ふと頭に柔らかい感触を感じた。椿さんは大きな手のひらで、私の頭をぽんぽんと叩く。

 
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