冷徹副社長と甘やかし同棲生活


――そして、とうとうその時がやってきた。


「副社長、ようこそお越しくださいました!」


 出入り口でスタンバイしていた部長の声に合わせて、他の社員も椅子から立ち上がって一礼した。
 私も先輩方に合わせて同じ行動をとる。入口に背を向けて座っていたため、身体の向きを変えて頭を下げた。


「皆すみやかに業務に戻るように」

 
 心に響くような低くて太い声。機械的な話し方で、面接のときとは全く違っていた。
 顔を上げると、数人の部下を従え、肩で風を切るように歩く副社長の姿があった。


 面接の時は座っていたから気づかなかったけど、とびぬけて背が高く、手足が長い。
 まるでモデルのようなスタイルに目を奪われ、席に着くことすら忘れていた。



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