冷徹副社長と甘やかし同棲生活

「カッシー、早く座って」

 
 副社長の背中を見つめ続けていると、菅野さんから小声で注意を受けた。


「はい! すみません!」

 
 我に返り焦った私はいつも通りのボリュームで返事をしてしまった。
 いつもだったら周囲の声に紛れるのに、この異様に静かな空間では悪目立ちしてしまう。


 副社長の耳にも届いていたようで、こちらを振り向いた彼とばっちり目が合ってしまった。
 射るような目つきが怖くて、たまらずうつむいた。


“一.業務時間中の私語を禁ずる”

 
 鉄の掟第一条が、頭の中で何度も繰り返される。
 どうしよう、入社早々叱られてしまう。最悪、減給になってしまうかも。

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