冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
「ごめんなさい、せっかくのお誘いなんですけど、はずせない用事があって」

「仕方ないよ、急だったしね。また飲みにいこうね」

「はい!」


 先輩方は特に気にしていない様子で、ほっと胸を撫で下ろした。
 これからこういうケースも増えてくるだろうし、折を見て副社長に相談してみようと思った。


――新しい業務が増えたといっても、新入社員に出来ることは多くない。菅野さんを始め、先輩方はさっそく残業するようだけど、私は定時であがることになった。

 
 いつもだったら本社ビルをでて左に曲がって駅に向かうけれど、椿さんの家は逆方向。
 一応近くに知り合いがいないか確認したあと、右に曲がった。

 オフィス街を離れるとすぐに高層マンションが立ち並ぶ、セレブ街に出る。

 
< 163 / 321 >

この作品をシェア

pagetop