冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「椿さん、起きてください」
肩を揺らして起こそうとするも、なかなかまぶたは開かない。顔を真っ赤にして、身体中からお酒の臭いが漂ってくる。
「こんなところで寝ちゃだめです。風邪ひきますよ? 起きてください!」
臭いに我慢しながら、何度も酔っぱらいを起こそうとした。……しかし、完全に私の負け。起こすことは諦めて、せめて毛布をかけてあげることにした。
椿さんの部屋から毛布を持ってきて、肩までかけてあげる。ふと、ネクタイが苦しそうにみえたので、外してあげることにした。
「あれ、うまくとれない……」
椿さんの隣に座り、両手でネクタイをはずそうとするも、うまくとれない。
よく考えたら、ネクタイの巻き方を知らなかった。であれば、せめて緩めることだけでもできないだろうか。