冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「ここはバーですか?」
「うん、こういうところ、来たことないんじゃないかと思ってね」
中垣さんが選んだお店は、カウンターと少数のテーブルが並ぶ、隠れ家的なバーだった。
カウンター内の棚にはお酒の瓶が所狭しと並んでいる。
中垣さんがカウンター席に座ったので、私も隣に座った。バッグは空いている椅子に置いた。
「ジントニックを」
「かしこまりました」
「柏木さんは何にする? カクテルなら何でも大丈夫だよ」
「えっと、それじゃあ、カシスオレンジで」
「かしこまりました」
頭に思い浮かんだカクテルは、これしかなかった。定番過ぎるかなと不安だったけれど、つくってもらえるみたいだから問題はないだろう。