冷徹副社長と甘やかし同棲生活
どうしてだかわからないけど、イライラする。今夜、少し期待していたのだろうか。
ピザをネット注文したあと、私はあえてダイニングテーブルの席に座った。
「どうした? こっちに座ればいいのに」
「……なんとなく」
「何を拗ねているのか知らないが、早くこっちにこい」
「わかりました」
そっけなく言ってしまったけど、呼ばれてうれしい気持ちもあった。恋心はなんて複雑で面倒なのだろう。
いつものように、斜め向かいに座ろうとすると、
「違うだろ、ここだよ」と、椿さんは自身の膝を指差した。
「か、からかうのはやめてください!」
「俺は本気だ。はやく抱き締めさせろ」
「さっき手を出さないって言ってたじゃないですか」
「このくらい許容範囲だろう?」