冷徹副社長と甘やかし同棲生活

「兄さん、来るなら一言連絡してくれよ」

「先週、何度か電話したけどでなかったろ」

「そうだった。仕事中で気づかなくて、そのまま忘れていた」

「お前は本当に、適当なところがあるよな。……あれ、思ったよりきれいにしているじゃないか」


 椿さんとともに部屋に入ってきた男性は、椿さんより少し背が低い、爽やかな印象のする人だった。
 顔は、椿さんとよく似ている。


「彼女がいつも掃除してくれるんだ」

「そうなんだ。いつも弟の世話をしてくれてありがとう」

「とんでもないです……!」

 コーヒーの準備をしていたけれど、キッチンから出てペコリと頭を下げた。


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