冷徹副社長と甘やかし同棲生活
ーーお兄さんは、私のいつもの席に座っていた。
コーヒーをテーブルにおくと、お兄さんに屈託のない笑顔でお礼を言われた。眩しすぎて、目がちかちかしそうだ。
会釈をして下がろうとすると、お兄さんから「君も一緒にいて」といわれ、椿さんの隣に座った。
「ーーそれで、何か話があってきたんだろう?」
十分ほど世間話をしたあと、椿さんが本題を切り出した。
「ああ。実は隆弘に頼みたいことがあってね」
お兄さんの顔色が変わる。太陽のような笑顔が、雲に覆われて見えなくなった。
「頼みたいこと?」
「単刀直入に話すね。お前に、実家に戻ってきてほしいんだ」