冷徹副社長と甘やかし同棲生活

「椿さんに……?」

「うん! あ、この人はね、僕の友達の遥くん。プロのメイクさんになるのが夢なんだって」

「どうも、はじめまして。今日はよろしくお願いしまーす」

「よろしくって、何を? 話が全く見えないんだけど?」


 戸惑っている私を見た葵衣くんは、紙袋から中身を取り出して広げた。


「このドレスを着せて、可愛くしてあげてって頼まれたんだ、お兄ちゃんに」

「……へっ?」

「何間抜けな声だしてるの。今日、お兄ちゃんとディナーデートに行くんでしょ?」

「素敵な場所には、素敵なコーディネートで行かないとだめだよねッ!」


 
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