冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「あら、美緒ちゃんがカッコいい男の人に告白しているわよ」
「若いっていいわねぇ」
商店街の人たちのヒソヒソ話が聞こえてくる。
さっきの発言を告白と勘違いしているらしい。
“違うよ!”ってすぐに誤解を解きたいのに、身体が氷のように固まって動かない。
副社長は何も言わない。きっと、突然変なことを言われて驚いているのだろう。
なんだこいつ、変な奴って呆れられたかもしれない。
それとも、副社長も今のが告白だって思ってしまったのだろうか。
そう考えたとたん、彼がどう思ったのか気になり始めた。
恐る恐る目線をあげて、副社長の様子をうかがうと――
「……とりあえず、場所を変えるか」
――副社長の顔が、うっすらと赤く染まっているようにみえた。