冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「わっ! ふ、副社長。いらっしゃったんですか」
今日の副社長は、グレーのテーラードジャケットに黒のパンツという服装。
首元の開いているインナーを着ているからか、妙に鎖骨が色っぽい。
「予定より早く着いたから、近くを散歩していた」
「お待たせして申し訳ありません!」
慌てて頭を下げると、上方から小さなため息が聞こえた。
「こんなことでいちいち謝らなくていい。もう行くぞ」
「は、はい」
頭をあげるたとき、副社長の呆れ顔が目に入った。
目上の人を待たせてしまうのは社会人として失格だと思ったから謝ったのに、何がダメだったんだろう。
頭の中にはてなが浮かんでいたけれど、何も聞かずに副社長の後を追った。