Elevator Girl
         ***

久堂さんは社長椅子に腰掛けながら、ゆっくりと一年前の話をした。


「つまり、日向あおいは、俺にとって起爆剤だった訳だ。

思い出してくれたか?」


「……はい。でも、その、無茶苦茶で失礼なことをっ…」


穴があったら、飛び込みたいぐらいだった。

はっきりと思い出して、改めて恥ずかしい。


幸せとか!一生とか!

嘘はないけど、でももっと言い方があったでしょ、私!



「意地でも噛みついてくるのは、中々楽しめたな」

「…それで、いつもの無茶振りですか!」


「どこまでついてくるかと思って。


…でも、俺の負けだ。

好きになってしまったから、完敗だ」



優しい瞳で見つめられて、体がじわじわと熱くなる。

ずるい、とただただ思って、顔を赤くしてうつむいた。



「約束通り、お誘いをしても?」

「…いいですけど」


「なら、…仕事をしてもらわないと」


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