いつまでも弟だと思うなよ。
「可奈は俺のこと、反抗期の弟だって思ってるんだ?」
「だ、だってそうじゃない!」
「ふーん」
な、何よ。
何なのよ、その不機嫌そうな不貞腐れたような表情は。
「で、何?姉である可奈にだけは子供らしい素を出しているって?」
いつもと似ても似つかないチカちゃんの豹変っぷりに、何だか私が悪いことをしてるような気になってくる。
「可奈、聞いてる?」
なんだか妙に色っぽい、けれどしっかり圧力をかけられてる感じがする。
瞬間、私はダメだと思った。
私は姉で、チカちゃんは弟。
それは小さい頃からの私達の揺るがない立ち位置。
今現在のこの体勢も、形は違えどもチカちゃんの反抗の1つということにはなる。
けれど、何故だかはわからないけど。
これは叱らなきゃいけない反抗の仕方だと思った。