その件は結婚してからでもいいでしょうか
アシスタント部屋では、資料と仮眠の部屋になっている場所が、どうやら先生の寝室になっているようだ。
でもベッドの上は洗濯物の山で、窓際は干された下着や靴下がまるでカーテンのようになっている。
「汚部屋……」
美穂子はすぐ目の前に垂れ下がる、男性もののパンツをじっと見つめた。
黒。ボクサータイプ。
……触れない。
洗濯はしてある。はず。だから綺麗だとは思うけれど、妄想力豊かだとつい色々を想像してしまうのだ。
パンツが包んでいる何か、とか。
履いている、仕草とか。
どうしてパンツを履いてるところって、こんなに情けないんだろう。
ああ、これで靴下とかも履いたままのスタイルだったら、もっと情けない格好。
「げ」
美穂子はキッチンに行くと、わりばしを見つける。それでパンツを挟んで、先生の待つバスルームへと向かった。
「はい。どうぞ」
扉の細い隙間から、箸を入れる。
「箸かよ」
扉の向こうで、ぼそっと突っ込むのが聞こえたが、ムシをした。
扉が閉まると、ほっと息をつく。
ここにいる間、こんな拷問が続くんだろうか。
「できるの? わたし」
美穂子は頭を抱えた。