その件は結婚してからでもいいでしょうか

「おつかれさまあ」
先生が、随分とだらけた格好でソファに座っている。

二十四時間そのままなんじゃないかっていう、派手な寝癖のままだ。
かなりのボロボロ感。

「今回の意地悪ハニー、すごく良かったです」
美穂子はソファのそばに立って、そう言った。

「ありがとうお。報われる。美穂ちゃんたちも頑張ってくれたから、いい作品になったかな」
先生はお腹をぽりぽり。大あくび。

美穂子は思わず眉をひそめた。

コレが、勅使河原くんを描いてる。解せぬ。

先生はソファに転がったまま、美穂子を見上げる。

目があった。

「美穂ちゃんのごはんが、恋しかった」

きゅん。

美穂子は驚いて、自分の胸に手を当てた。

何、今の? きゅんて、何?

「お腹減ったなあ」
先生はねだるような甘えた声を出した。

きゅん。

また!?

「……作ります」
美穂子は首を傾げながら、キッチンへと下がった。

「ありがとう〜」
先生の声が背中から聞こえて、美穂子はなぜだか耳を塞ぎたくなった。

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