その件は結婚してからでもいいでしょうか
「とにかく、彼が家を追い出されちゃて、しばらくここにおいて欲しいって言うの」
「ダメよ! わたしが住んでるんだもん」
美穂子は大声を出した。
「わかってるって。でも本当、彼、今にも死んじゃうって言うしね」
「死なないよ」
「ここがダメなら、マーガレットのとこに行くっていうの!」
「だれだ、それ」
「とにかくっ」
めぐちゃんが叫んだ。
「芥川を他の女のとこに行かせるわけにいかないのよ!」
めぐちゃんが再び土下座した。
「美穂ちゃんが三次元の男がダメって知ってる。だから三人でっていうのは無理だってのも、よくわかってるの。わたしたち、でてくから! しばらくしたら今ある貯金で引っ越す。ここは美穂ちゃんが住んでいい。それまでの間だけ」
めぐちゃんのおでこがフローリングにごつんとぶつかる。
「それまでの間しばらく、他のアシ友達のところに行ってくれない?」
「待ってよ!」
美穂子はダンッとテーブルを叩いた。
「この部屋残されても、一人じゃ住めない! 家賃高いもん」
「じゃあ、他のシェア友達探して」
「えーっ」
「お願いお願いお願い……」
めぐちゃんの声が泣いてるように震えた。
美穂子はごくんと唾を飲む。
形勢はあまりにも不利。この部屋をどうするかっていう話より、しばらくはここには帰れないという驚愕の事実。
わたし、どこ行けばいいの?
「わたくしは、三人でもいいですよ」
芥川が喋り出す。「三人でっていうのも、初めての経験で楽しいかもしれない」
「芥川のバカ! そんなエッチなこと、考えるのもダメっ」