その件は結婚してからでもいいでしょうか
どこがエッチなのさ?
美穂子はわけがわからず、首をかしげた。
でも、とりあえず。
美穂子は考える。
一晩だって、この「なんちゃって芥川」と一緒に過ごすことはできない。すでにほら、サブイボが立ち始めてる。
「わ、わかった。わたしがシェア友探すから。二人はなるべく早く新しいお部屋探して」
美穂子はしぶしぶ頷いた。
「ありがとうっ。ごめんね〜。ほんとごめんね〜」
めぐちゃんが美穂子に取りすがったが、そんな非日常的な格好で言われても、あまりピンとこない。
美穂子は流されるまま、再び靴を履いた。
でもドアを開くと、早くもとてつもない後悔が胸にこみ上げる。
今、ここを出たら、負けじゃない?
バッと振り返ると、セクシーめぐちゃんと「なんちゃって芥川」が玄関先で手を振った。
「ばいばーい」
「ば、ばいばい」
美穂子は押し出されるように、廊下に一歩を踏み出してしまった。
バタンとドアがしまる。
住宅街。ポツポツ灯る明かり。どこかでニャーと声がした。
あ、ここって、静かー。
美穂子はよろめきながら階段を降りて、あてもなく歩き出した。