冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
「少ししたら酔いもさめると思うので」

「それならとりあえず、俺の部屋で休めよ。ここからだと、君の住むマンションよりは近いから」

え……由佐さんの部屋に……!? 思いもよらない彼の言葉に、わたしは固まってしまう。すると、彼はわたしのほうへ顔を向けた。

「大丈夫、泊まれとは言わないから。酔いがさめたら君の自宅まで送る。いいだろ?」

ゆったりとした口調がなんだか魅惑的で、戸惑いながらもわたしは首を縦に動かしてしまった。
わたしが同意をしたのを確認した由佐さんは、車を発進させる。
彼の部屋に行くことになるなんて……どうしよう、胸の鼓動がどんどん速くなっていく。

男の人の部屋で休めって言われたら普通は断るけど、相手が由佐さんだからうなずいてしまった。

そわそわしながら十五分ほど車に乗っていると、中層マンションの駐車場に停まった。会社があるオフィス街とは雰囲気の違う静かな街の中心地で、マンションは比較的新しいものだ。

「ソファで休んでいていいから。……あ、ベッドがいい?」

「ソ、ソファでいいです……!」

からかい交じりの彼の冗談に、わたしは本気で頬を熱くさせてしまって、見えないようにすぐに顔を背けた。

五階の角部屋、ひとり暮らしには広いと感じる部屋の中はすっきりとしていてあまり物がなく、リビングにはソファと長方形のテーブル、テレビがあって、キッチンのほうにはダイニングテーブルもある。
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