冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
自分の気持ちを由佐さんに伝えよう、と決心したのに、いざ伝えるために彼に時間を作ってもらおうと予定を訊こうとするが、出張や外出などのタイミングで声をかえられずにいた。

どうしてこういうときに限って合わないんだろう……!
むしゃくしゃしながらパソコンに荒々しく数字を打ち込むわたしを見ていた谷池さんは、どうしたのかと配して「なにかあった?」と声をかけてきた。

上司に告白したいのに、時間が合わなくて困っている!なんて、言えない。
今日こそは、と思いながら仕事を早く終わらせようとしていた終了間際、由佐さんが外出から戻ってきた。

明日の会議の資料を確認して、残りの仕事を片付けてから帰るようだった。
もう、自分のなかでため込んで悩むのは終わり。いつまでも気持ちを伝えないのは、ただ自分が苦しいだけ。

そう思って、仕事を終えてオフィスを出て行った彼のことをわたしは追いかけた。

「由佐さん!」

エレベーターの前に立っている彼を呼ぶと、振り返ってわたしに視線を向けてくれた。慌ててきたので、前髪が乱れてしまったわたしは、髪を手で押さえる。
そんなわたしに「どうした?」と、落ち着いた声をだした由佐さんを緊張しながら見つめた。

「あ、あの……今日、このあと……」

ふたりだけで、話したいことがある。そう、言おうとしたとき、エレベーターのドアが開いてしまった。
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