冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
これで明日から、由佐さんとわたしの関係が社内で……どうしよう、わたしのデスクに社内の女性たちが押しかけてきたら!

でも、ずっと由佐さんが二股っていう噂が残るよりはいいかな。
どうしてあんな女が!って言われても、めげないで頑張る。だってなにを言われても、由佐さんのことが好きだから、離れようなんて思えないもの。
彼と話ができたことでわたし、もうすっかり前向きだ。

不器用で、いちいち遠回りして、上手く想っていることを伝えられないときもあるけれど、それは徐々に由佐さんの隣でできるようになっていきたい。


ドアが開いて、誰も乗っていないエレベーターにふたりで乗り込むと、わたしは由佐さんを見上げた。

「それでも、あまり目立たないようにしてくださいね。隠さなくてもいいけど、場所はわきまえて……」

わたしを見る彼の目が細くなって、いたずらっぽく口もとを緩めたと思ったら……彼の唇が近づいてきた。

あっ……!と、思った瞬間、エントランスの入口付近に人影が見えて焦ったけれど、彼は持っていたファイルを自分とわたしの顔のそばに持ってくる。

キスをする瞬間をエレベーターの外に見えないようにした由佐さんは唇を離すと、真っ赤になっているわたしをクスッと笑った。
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