冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
息を深く吐いて、大丈夫、頑張ろう!と心の中で言いながらエレベーターに乗り、階のボタンを押そうとしたとき、早足で男性が乗り込んできた。
ちらっとその人を見た瞬間、わたしは固まってしまう。
ずっと連絡をもらえなくて、頭から離れなかった人。
――由佐さんだ! スーツを着た彼は、すっと腕を伸ばして“二十七”のボタンを押し、腕時計を確認しながら壁側へ移動する。
どうして由佐さんが二十七階に? もしかして、間違えてしまったのだろうか。彼が現れたことに動揺して、頭の中は混乱状態だった。
「あ、あのっ、間違えていませんか?」
「……は?」
声をかけられたことに驚いたような顔をした由佐さんは、首をかしげる。それと同時にエレベーターのドアが閉まったので、わたしは慌てて言葉を続けた。
「このエレベーターはアッパーフロアの企業専用ですよ? お店に行くのなら、別のエレベーターに乗らないと……」
そう言ったわたしを彼は訝しげに見ているので、自分が間違ったことを言っているのではないかと、不安になってきた。あれ……まさか人違いだった? なんだか、わたしのことにも気づいていないみたいだし……。でも、お店にいたときの服装とは違っても、整った綺麗な顔立ちは間違いなく由佐さんだと思う。
ちらっとその人を見た瞬間、わたしは固まってしまう。
ずっと連絡をもらえなくて、頭から離れなかった人。
――由佐さんだ! スーツを着た彼は、すっと腕を伸ばして“二十七”のボタンを押し、腕時計を確認しながら壁側へ移動する。
どうして由佐さんが二十七階に? もしかして、間違えてしまったのだろうか。彼が現れたことに動揺して、頭の中は混乱状態だった。
「あ、あのっ、間違えていませんか?」
「……は?」
声をかけられたことに驚いたような顔をした由佐さんは、首をかしげる。それと同時にエレベーターのドアが閉まったので、わたしは慌てて言葉を続けた。
「このエレベーターはアッパーフロアの企業専用ですよ? お店に行くのなら、別のエレベーターに乗らないと……」
そう言ったわたしを彼は訝しげに見ているので、自分が間違ったことを言っているのではないかと、不安になってきた。あれ……まさか人違いだった? なんだか、わたしのことにも気づいていないみたいだし……。でも、お店にいたときの服装とは違っても、整った綺麗な顔立ちは間違いなく由佐さんだと思う。