冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
胸元を掴んだこと、怒っているかな……。あのときはついカッとなってやってしまったけれど、時間が経つにつれて失礼なことをしたという気持ちが強くなっていた。
彼が悪いと思っているけど、もう少し冷静になって言葉で表せばよかったかもしれない。
仕事がやりづらくなったら、どうしよう。
ため息をつきながらエレベーターを待っていたら、「おい」と後ろから声をかけられて、振り返ると由佐さんがわたしを追いかけてきたようで、驚いて後退ってしまう。
もしかして朝のこと、文句言いにきたの……!?
どうしよう、そうだ、市崎課長が悪い!って、言い返してやるんだ。
そう思って構えていたわたしに差し出されたのは、お弁当を入れてきた小さなトートバッグだった。
「忘れ物。デスクの上に置きっぱなしだった」
「えっ……? あ、ありがとうございます」
わざわざ持ってきてくれたの……? 意外な彼の行動に、わたしは目をぱちぱちさせながらトートバッグを受けとると、エレベーターがやってきて由佐さんと一緒に乗り込んだ。
「……あの、帰るんですか?」
尋ねたわたしを、彼はじろりと見てすぐに視線を逸らす。微妙な反応をされたので、変だと思った。
「帰ったら悪いのかよ」
「いいえ、あの、いつもより早いので」
「朝早くから出てきていたから、眠いんだ。仕事の残りは自宅でやる」
「そ、そうですか」
まさか、忘れ物を持ってきてくれるような人だとは思わなかった。これまでのわたしに対しての発言や態度を考えると、放ったままにしそうなのに。
彼が悪いと思っているけど、もう少し冷静になって言葉で表せばよかったかもしれない。
仕事がやりづらくなったら、どうしよう。
ため息をつきながらエレベーターを待っていたら、「おい」と後ろから声をかけられて、振り返ると由佐さんがわたしを追いかけてきたようで、驚いて後退ってしまう。
もしかして朝のこと、文句言いにきたの……!?
どうしよう、そうだ、市崎課長が悪い!って、言い返してやるんだ。
そう思って構えていたわたしに差し出されたのは、お弁当を入れてきた小さなトートバッグだった。
「忘れ物。デスクの上に置きっぱなしだった」
「えっ……? あ、ありがとうございます」
わざわざ持ってきてくれたの……? 意外な彼の行動に、わたしは目をぱちぱちさせながらトートバッグを受けとると、エレベーターがやってきて由佐さんと一緒に乗り込んだ。
「……あの、帰るんですか?」
尋ねたわたしを、彼はじろりと見てすぐに視線を逸らす。微妙な反応をされたので、変だと思った。
「帰ったら悪いのかよ」
「いいえ、あの、いつもより早いので」
「朝早くから出てきていたから、眠いんだ。仕事の残りは自宅でやる」
「そ、そうですか」
まさか、忘れ物を持ってきてくれるような人だとは思わなかった。これまでのわたしに対しての発言や態度を考えると、放ったままにしそうなのに。