冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
「女泣かせって、最低ですよね。お疲れ様でした。失礼します」
ささやかな抵抗を置いて由佐さんに背を向けると、グイッと腕を掴まれたので反射的に振り返った。
少し不機嫌そうな彼の表情に、胸が騒がしくなる。
「俺だって、泣かせるばかりじゃないけど」
だっ……だからなに……!? わざわざわたしに言う意味がわからない。そんなことを宣言されても反応に困るわたしは、掴まれている腕に構わず歩きだすと、意外と手は簡単に離れたのでビルの外へ出た。
なにを考えているのかわからない。これ以上、からかわれて心を乱されたくなかった。
***
勤め始めて三週間が経ち、ずいぶん仕事にも慣れてきて、課の人たちとの会話も多くなった。今いる営業のメンバーは六人で、他の課と比べて人が少ないから忙しく、仕事をどんどん頼まれる。
「俺は先に午後の会議の資料を頼んだはずだけど。どうしてまだ用意できていないんだ?」
「す、すみません……」
出来上がった顧客先への見積書を由佐さんに持っていったら、呆れたような声で怒られた。頼まれた仕事を順番通りやったつもりだったけど、資料作成が抜けてしまっていたらしい。
ささやかな抵抗を置いて由佐さんに背を向けると、グイッと腕を掴まれたので反射的に振り返った。
少し不機嫌そうな彼の表情に、胸が騒がしくなる。
「俺だって、泣かせるばかりじゃないけど」
だっ……だからなに……!? わざわざわたしに言う意味がわからない。そんなことを宣言されても反応に困るわたしは、掴まれている腕に構わず歩きだすと、意外と手は簡単に離れたのでビルの外へ出た。
なにを考えているのかわからない。これ以上、からかわれて心を乱されたくなかった。
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勤め始めて三週間が経ち、ずいぶん仕事にも慣れてきて、課の人たちとの会話も多くなった。今いる営業のメンバーは六人で、他の課と比べて人が少ないから忙しく、仕事をどんどん頼まれる。
「俺は先に午後の会議の資料を頼んだはずだけど。どうしてまだ用意できていないんだ?」
「す、すみません……」
出来上がった顧客先への見積書を由佐さんに持っていったら、呆れたような声で怒られた。頼まれた仕事を順番通りやったつもりだったけど、資料作成が抜けてしまっていたらしい。