冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
頑なに他の店を拒んだ結果、由佐さんが折れてくれたので三坂さんのお店に行くことになったが、あのBarは入店するのに緊張する場所だったことを忘れていた。
相変わらずお洒落な雰囲気で、夏穂子が以前、敷居が高くてなかなか行けなかったと言っていた理由が改めてよくわかる。
わたしも、なにも知らずにこのビルに勤めてBarの存在を知ったとしても、仕事帰りに行こうなんて思わなかったかもしれない。
「オーナーいる?」
お店に入ってウンターにいる従業員に由佐さんが声をかけると、三坂さんを呼んできてくれた。
「由佐と紘奈ちゃんがふたりで来店? 仕事帰り?」
「駅の近くで会社の飲み会があって、その後だ。“どうしてもお前の店がいい”って言うから、来てやったんだよ」
呆れたように由佐さんが言うと、三坂さんは不思議そうにわたしを見た。このお店を選んだ理由なんて、説明できるわけがないから黙って微笑むしかない。
今日もテーブル席はいっぱいで、由佐さんとわたしはカウンター席に案内された。居酒屋のときとは違って、彼が隣にいる感覚にドキドキする。
給湯室のソファでこの体がわたしの方へ傾いて凭れていたんだと思うと余計に胸が高鳴ってしまったので、思い出したらダメ!と必死に言い聞かせていた。
相変わらずお洒落な雰囲気で、夏穂子が以前、敷居が高くてなかなか行けなかったと言っていた理由が改めてよくわかる。
わたしも、なにも知らずにこのビルに勤めてBarの存在を知ったとしても、仕事帰りに行こうなんて思わなかったかもしれない。
「オーナーいる?」
お店に入ってウンターにいる従業員に由佐さんが声をかけると、三坂さんを呼んできてくれた。
「由佐と紘奈ちゃんがふたりで来店? 仕事帰り?」
「駅の近くで会社の飲み会があって、その後だ。“どうしてもお前の店がいい”って言うから、来てやったんだよ」
呆れたように由佐さんが言うと、三坂さんは不思議そうにわたしを見た。このお店を選んだ理由なんて、説明できるわけがないから黙って微笑むしかない。
今日もテーブル席はいっぱいで、由佐さんとわたしはカウンター席に案内された。居酒屋のときとは違って、彼が隣にいる感覚にドキドキする。
給湯室のソファでこの体がわたしの方へ傾いて凭れていたんだと思うと余計に胸が高鳴ってしまったので、思い出したらダメ!と必死に言い聞かせていた。