冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
面白そうに目を細めた彼に、わたしは恥ずかしくてうつむく。寝ていたと思っていたのに、起きていたなんて……聞かれないと思っていたから呟いていた言葉だったのに。
今すぐこの場から逃げ出したくなるくらいの羞恥だ。
「俺のことを知りたいの?」
ゆったりと囁くような彼の声に、わたしの肩はピクン、と反応してしまった。本心はそうだけど、由佐さんの性格だ、素直に言ったら絶対にからかわれるに決まっている。
わたしと過ごした夜は遊びだったと、再会したときにうっとうしそうにしていた彼を思い出すと、なんとかして誤魔化したい。
考えて黙っているわたしに、由佐さんが息をついたのが気配でわかった。
「……面倒をかけたお詫びに、どこか連れて行くよ。休日とか、暇なときにでも」
え?と顔を上げると、彼はわたしのほうを向いてはいなかった。からかうつもりなのかと、じっと相手の横顔を見ていたが、そういうものは感じられない。
けれど、由佐さんの発言がどうしても信じられず、しばらく黙って彼を窺っていたら、わたしのほうへ視線が向いた。
「誘っているんだけど。休日、君と出掛けたい。……返事しないつもりか?」
「えっ……ええ? あの、冗談では……」
「失礼なことを言うなよ。予定はいつがあいてる? なるべく早く行きたいから、君が平気なら、明後日の日曜でもいいし」
ちょっと、待って! これって、由佐さんがわたしと休日出掛ける予定を作ろうとしているってこと? 『君と出掛けたい』なんて、本気で彼の口から出た言葉なのか。
今すぐこの場から逃げ出したくなるくらいの羞恥だ。
「俺のことを知りたいの?」
ゆったりと囁くような彼の声に、わたしの肩はピクン、と反応してしまった。本心はそうだけど、由佐さんの性格だ、素直に言ったら絶対にからかわれるに決まっている。
わたしと過ごした夜は遊びだったと、再会したときにうっとうしそうにしていた彼を思い出すと、なんとかして誤魔化したい。
考えて黙っているわたしに、由佐さんが息をついたのが気配でわかった。
「……面倒をかけたお詫びに、どこか連れて行くよ。休日とか、暇なときにでも」
え?と顔を上げると、彼はわたしのほうを向いてはいなかった。からかうつもりなのかと、じっと相手の横顔を見ていたが、そういうものは感じられない。
けれど、由佐さんの発言がどうしても信じられず、しばらく黙って彼を窺っていたら、わたしのほうへ視線が向いた。
「誘っているんだけど。休日、君と出掛けたい。……返事しないつもりか?」
「えっ……ええ? あの、冗談では……」
「失礼なことを言うなよ。予定はいつがあいてる? なるべく早く行きたいから、君が平気なら、明後日の日曜でもいいし」
ちょっと、待って! これって、由佐さんがわたしと休日出掛ける予定を作ろうとしているってこと? 『君と出掛けたい』なんて、本気で彼の口から出た言葉なのか。