冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
わたしを見据える彼の瞳に、ドキドキする。
からかっているような素振りを見せない由佐さんは、「どうする?」と答えを急かしてきたので、勢いあまって「は、はい。いつでも平気です」と答えてしまった。
わたしの気持ちが気づかれてしまわないだろうか……?

「じゃあ、明後日の日曜な」

「あ……か、課長、あの」

「プライベートで課長はやめろよ。会社以外では、由佐でいいから」

淡々とそう言った由佐さんに、胸の高鳴りは激しくなるばかりだった。そんなふうに言われたら、期待をしてしまうじゃないか。

お詫びにわたしをどこかに連れていくと言いだしたりして、彼はそうやって気を遣うような人だった?
気になる人から誘われたら、さすがに浮かれてしまいそうになる……。

「あの……」

いったい由佐さんはどういうつもりなのか、本人に直接聞いてみようかと思ったとき、

「ふたりとも、なに飲んでる?」

空いていたもう片方の隣に三坂さんが座ってきたので、慌てて口を閉じた。
わたしったらなにを聞こうとしていたんだろう、と我に返って恥ずかしくなる。でも……冷たいことを言ったり、期待してしまうようなことをしてきて、彼の気持ちがまったく掴めないから知りたくなったの。
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