冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
「あの、今の女性って?」
「ええっと……まぁ、いろいろ……」
「いろいろって、なんですか?」
言いにくそうにする谷池さんの態度にますます香弥さんの存在が気になったわたしは、口をもごもごしている谷池さんをじっと見ていると、困ったような顔をしながらも答えてくれた。
「あの人はさ、北田《きただ》香弥さんって言って……実は、辞めた営業課の人たち、あの人とアプリの開発会社を立ち上げたんだ。元々、北田さんも別のシステム開発会社で働いていた同じ業種の人で、市崎課長と学生時代からの知り合いだったらしい。飲食店で偶然会って、そのときに前の課長たちも同席していたのがきっかけっていう……」
そうだったんだ……。香弥さんっていう人は、由佐さんと学生時代からの知り合いで、わたしが働く前に課にいた人たちは、彼女の元へ行ったんだ。
「でも、なんだかふたりとも変な空気感がありましたよね?」
「あー……。市崎課長はさ、前の課長と一緒に営業の仕事頑張ってたんだよ。それなのにさ、うちの会社辞めて他のところ行っちゃってさ……どこで働こうが自由だけど、一緒に営業チーム引っ張ってきた身としては、ちょっとショックだったんじゃないかな。それで、北田さんとも気まずくなっちゃったとか。まあ、その辺は俺もよく知らないけど」
「ええっと……まぁ、いろいろ……」
「いろいろって、なんですか?」
言いにくそうにする谷池さんの態度にますます香弥さんの存在が気になったわたしは、口をもごもごしている谷池さんをじっと見ていると、困ったような顔をしながらも答えてくれた。
「あの人はさ、北田《きただ》香弥さんって言って……実は、辞めた営業課の人たち、あの人とアプリの開発会社を立ち上げたんだ。元々、北田さんも別のシステム開発会社で働いていた同じ業種の人で、市崎課長と学生時代からの知り合いだったらしい。飲食店で偶然会って、そのときに前の課長たちも同席していたのがきっかけっていう……」
そうだったんだ……。香弥さんっていう人は、由佐さんと学生時代からの知り合いで、わたしが働く前に課にいた人たちは、彼女の元へ行ったんだ。
「でも、なんだかふたりとも変な空気感がありましたよね?」
「あー……。市崎課長はさ、前の課長と一緒に営業の仕事頑張ってたんだよ。それなのにさ、うちの会社辞めて他のところ行っちゃってさ……どこで働こうが自由だけど、一緒に営業チーム引っ張ってきた身としては、ちょっとショックだったんじゃないかな。それで、北田さんとも気まずくなっちゃったとか。まあ、その辺は俺もよく知らないけど」