冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
「最近どう? こうやって話をするのは久々だから、いろいろ教えてよ」

サンドイッチのランチセットが運ばれてくると、夏穂子は聞きたくて仕方なかった!というような声色で尋ねてきた。

「夏穂子こそ、慶一さんとは順調?」

「もちろん! この前、一緒に遊園地行って子供みたいにはしゃいじゃった。そうだ、紘奈も水族館デートしたんでしょう?」

月曜は一緒にランチをしようと誘われたとのが土曜日で、メールで由佐さんのことを聞かれたから、ふたりで水族館へ行くと夏穂子に言っていた。
だけど、“デート”なんてつけられてしまうと、やたらと恥ずかしくなってしまう。

「デ、デートじゃないし」

「ええ、デートでしょう! 由佐さん、紘奈と一緒に仕事をしているうちに紘奈のこと気になってきちゃったんじゃない?」

ニヤニヤしている夏穂子に困りながらも、わたしはハムとレタスのサンドイッチを口へと運ぶ。もし、由佐さんがわたしのことを……って思ったら、ドキドキしてレタスが喉につまりそうだ。

「紘奈はさ、どうなの? もう好きじゃないって言っていたけど、やっぱり由佐さんのこと好きなんじゃない?」

お見通しだ、という顔をする夏穂子から目を逸らしたわたしは、観念してコクン、と首を縦に動かした。
なんでも話す友達には、わたしの気持ちなんて簡単にバレてしまうらしい。
< 93 / 153 >

この作品をシェア

pagetop