霞村四丁目の郵便屋さん
おそらく彼女は間違えている。

霞村は三丁目までしかなく、村の人たちは一丁目のことは大原(おおはら)と呼ぶし、二丁目は竹林(たけばやし)、俺の住んでいる三丁目は河原(かわら)町だ。


「もしかして河原町? 霞村に四丁目ってないんだけど……」


四の前は三だから、単純にそう尋ねた。
それなのに……。


「ううん、四丁目。大池(おおいけ)」


彼女は、今度は俺の目を見てはっきりと答えた。


「大池?」


そんな地名聞いたことがない。


「霞村、だよな」

「うん」


噛み合わない会話に首を傾げると、みやびはまたほんの少し笑う。


「瑛太くんって、妖精とか信じる?」

「は?」


妖精を信じるかと突然聞かれても、そんなことを考えたことすらない。


「妖精じゃなくてもいいや、精霊とか、宇宙人とか」


妖精と精霊と宇宙人って……どこかでつながっているように見えて、ちぐはぐだ。

てっきり冗談を言っていると思ったのに、みやびは実に真剣な顔をしていた。
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