霞村四丁目の郵便屋さん
「いるかもね」


するとみやびが実におかしそうに笑う。

でも……四丁目大池という問題は少しも解決していない。
どこから妖精の話になったのかと会話をさかのぼってみたものの、四丁目の話にはどうしてもつながらない。

首を傾げてみやびを見つめていると、彼女は俺に視線を合わせた。
そして……。


「四丁目は、妖精の街、かも」


彼女は柔らかい笑みを浮かべながら、そんなことを口にする。


「ん?」


どういうこと?
さらに頭がこんがらがって、変な声が出てしまう。


「妖精は会いたいと思わなければ会えないの。妖精の街には住みたいと思わなければ、住めないの」

「ちょっと、よくわかんないんだけど」


できるだけ彼女を傷つけないように聞くつもりだったのに、好奇心が先だって思ったことがストレートに口に出た。


「そうだよね」


それなのにみやびはクスクス笑うだけで、いっそう置いていかれている気がする。
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