霞村四丁目の郵便屋さん
俺を見つけたばあちゃんは声を上げたあと、すぐにみやびに視線を向ける。


「あれまぁ、彼女かい?」

「出発しますので、お座りください」


運転手にそう急かされたばあちゃんは、慌てて近くの席に座ったものの、しきりに俺たちの座る後方を気にしている。


「違います。彼女、転校してきたんです」

「へぇ、まさか霞村に来たのかい?」


ばあちゃんは興味津々だ。


「うん、そうみたい」


俺が”みたい”とつけたのは、まだ四丁目の存在についてなにも解決していないからだ。


「柊です。初めまして」


みやびはそう言ったあと、小さく頭を下げている。


「柊……。聞いたことのない名前だねぇ。どこに越して来たんだい?」


ばあちゃんは、俺と同じ質問をぶつける。


「河原町です。よろしくお願いします」


俺はその答えにハッとした。

さっきと答えが違う。
四丁目大池、はどうしたんだ。


「河原町かい。それじゃ、瑛太くんと同じじゃないか。瑛太くん、遥ちゃんがいなくなって寂しくなったから、よかったねぇ」
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