霞村四丁目の郵便屋さん
俺たちの乗ったバスがバス停に停車したので立ち上がると、みやびも同じように立ち、一緒に下車した。

俺は四丁目の話が気になりつつ、あれはもしかしたらからかわれただけなのかもしれないと思い始めていた。
彼女はやっぱり河原町のどこかに住んでいるんだ。


「気をつけて」

「ありがとうございます」


運転手とはもう顔なじみ。
こうやって声をかけてもらえるのは田舎ならではの温もりというやつだと思う。

みやびが俺と同じように定期のパスを「ピッ」と通せば、運転手はみやびにも笑いかけてみせた。


「それじゃあ、さようなら」


バスを降り、先にそう言ったのはみやびだった。


「うん、気をつけて」


一旦別れたものの、みやびがどこに帰るのか気になって仕方がない俺は、自分の家の方角に足を向けたあと振り返った。
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