霞村四丁目の郵便屋さん
「みやびの両親って、宅配便でもやってるの?」


俺は頭の中を疑問符でいっぱいにしながら尋ねた。

おそらくさっきのカウンターが受付なのだろう。

でも、受付の人もいなければ、客もいない。
それに、荷物が積まれている様子もない。


「宅配便ではないわ。うーん、そうね……」


彼女は斜め上を見上げ、なにか考え事をしている。


「まぁ、郵便局みたいなものだけど、配達しているのは人の心、かな」

「心?」


心を配達するって、いったいどういうこと? 
少しずつみやびが説明してくれているのに、こんがらがるだけでなんの疑問も解決していかない。


「そう。未練とか、後悔とか……そういう想いを解決するために、私たちは心を運んでいるの」

「後悔……」


彼女の言葉を聞いて胸がざわついたのは、一瞬遥のことが頭をよぎったからだ。
< 55 / 56 >

この作品をシェア

pagetop