霞村四丁目の郵便屋さん
質問したいことが山ほど頭に浮かぶ。
でも……一番聞きたいのは、これが現実なのかどうかだ。


「困ってるよ、ね」


彼女はいたずらっ子のようにクスリと笑い、「とりあえず、ここに来たのは瑛太くんが初めて」とつぶやくので目が真ん丸になる。


「あ……っと……」


それはどういう意味?
なにかしらのいけにえにでもされるってことじゃないだろうな。

どうやら妄想でいっぱいになった頭の中は、次々と不安を作り出す。


「ホントは瑛太くんに来てほしかったから、わざわざ見えるところで消えたりしたの」

「えっと……」


それは昨日の話だろうか。
彼女は俺が見ていることなんてお見通しだったということ?


「瑛太くんに配達したいものがあったの」

「配達?」


やっぱり宅配便でもしてるの? 
だけど、なにも頼んだ覚えはない。誰からだろう。


「うん。普通はね、知らない間にそっと配達しておくんだけど、瑛太くんに直接渡したかったの」


『知らない間』って? 
宅配便なら、普通受け取りのサインがいるだろう?
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