イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
遠子はウニを溺愛しており、就職しても家を出なかったのは、なによりウニがいるからという理由が大きかった。
「ウ、ウニー! お前って子はーっ! どうして私よりもこいつの言うことをきくわけ!? もう雷の夜に一緒に寝てやらないんだから!」
遠子は絶望に打ちひしがれながらも、グイグイと直倫の胸を押し返す。
「もうっ、なんなの、なんで勝手に家に入ってるの!」
カノーロは直倫の祖父がイタリアの有名シューズメーカーで修行し、帰国後に作った会社で、それまで知る人ぞ知る腕のいい鞄店だった槇家は、祖父の代で大きく財を成した。
それからイタリアで学ぶのは、槇家の伝統になっており、槇家次男の直倫も、名門私立大学を卒業後イタリアに渡ったのだ。
(でもそのあと一瞬戻ってきてたよね……私が大学を卒業する前だったかな?)
ちょっと考えたが、すぐにどうでもよくなった。
たかが直倫のことだ。
考えるだけ時間の無駄である。
とりあえず、そんなこんなで、直倫に会うのは約六年ぶりなのだ。
だが遠子の言葉を聞いて、直倫はすっきりと伸びた眉をひそめる。