イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
「勝手なわけないだろ。和美(かずみ)おじさんに呼ばれたんだから」
「はぁ!? パパがっ!?」
和美は父の名前だ。
親しく名を呼ぶのは、母親同士が親友で、幼いころから家族ぐるみの付き合いがあったからだ。
そんなわけないだろうとさらに非難の声を上げようとした瞬間、
「さっそく仲良くやってるね♪」
父・和美の弾んだ声がリビングに響いた。
和美はトレイに紅茶のポットとカップを乗せて、それをリビングのテーブルの上に置く。
「さ、おいで、ふたりとも。お茶にしよう」
「パッ、パパ、本当なの、こいつをうちに呼んだのって!」
遠子は直倫の腕を無理やり振りほどき、慌てて父のもとに向かう。
「本当だよ。帰国するって槇さん家から聞いてたから、帰ったらうちに来てねってお願いしてたよ」
「ええーっ!」
絶叫する遠子だが、和美はアハハと笑い慣れた手つきでポットからカップに紅茶を注いだ。
「いやいや、今朝送るときに言ったでしょう。今晩、大事な人が来るよって」