イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
「まぁね~」
遠子はえへへと笑いながら、かけていた眼鏡を外す。
「見学者はあっちで待ってるみたいだよ。眼鏡も預かってもらえる?」
「あ……」
「うん?」
一瞬戸惑ったような直倫だが、「わかった」と、遠子が眼鏡とバッグを差し出すと素直にうけとった。
バンジージャンプの列には、五十人ほど並んでいた。
並んでいるのはほとんど男の子で、中学生くらいから遠子とそう変わらないくらいの年齢まで幅広い。
左右に突き出した足場があり、交互に飛ぶのでそれほど時間がかからないようだ。
(わ~、なんだか緊張する!)
手すりをつかみ、鉄の階段を上りながら下を見ると、直倫が立っている姿が目に入った。
遠子は裸眼でも0.3ほど視力があるので、直倫なら判別できるのだ。
はしゃいでブンブンと手を振る。
すると直倫が軽く手を挙げるのが見えた。
「ちょー余裕だな~。お姉さん、バンジー初めてじゃないんですか?」
「えっ?」
後に並んでいる、大学生くらいの男子が、笑いながら話しかけてきた。
柴犬のような、素朴で愛らしい雰囲気の青年だ。
「ううん、初めてよ。でもずっと前からやってみたくて、ちょっとテンションが上がってるみたい」
「マジかよ~。ちなみに俺は初めてで、しかも罰ゲーム。ぜんぜんやりたくない……緊張して、吐きそう」
「ええっ、大丈夫?」