イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
遠子は進学予定だった彼らの通う私立の中等部を避け、難関女子中学校を受験した。
学生の本分は勉強であることからして、同じ学校に行かなければ当然接触は激減する。
両親の仕事が今よりずっと忙しかったため、それまではなんとなく、遠子は放課後槇兄弟の屋敷で過ごすことが多かったのだ。
夕食を食べ終えたころに母か父が迎えに来てくれるような日々をずっと送っていた。
中学校に上がって、ひとりで留守番することにも慣れたこともあり、槇家から当然足は遠のいた。
このまま無関係になれるとホッと一安心していると、春先に久我山家で行われた遠子の誕生日パーティで槇兄弟の話題が出て、クラスメイトの誰かが
「槇兄弟に会いたい!」
と言い出したのだ。
久我山家のリビングには、クラスの女子が十人以上集まっていた。
(ここにあのふたりを呼ぶ?)
絶対に来るわけがないと思ったが、とりあえず呼ばないとこの場の空気が悪くなりそうで、内心必死に『断ってくれ!』と思いながら、電話を掛けたのである。
もちろん直倫ではなく兄の白臣の携帯へだ。
その日は誕生日直前の日曜日だったのだが、白臣はすぐに電話に出てくれた。