イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~

本当に、結婚するような気がした。


「直倫と結婚……? 無理っ!」


直倫は自分にトラウマを植え付けた張本人でもある。
もちろん本人はそれを覚えていないだろうし、今さら言うつもりもない。

むしろ今それを口にしたら、そんなことを気にしていたのかと笑われるような気がして、そっちのほうがよっぽど辛い。


(誰に相談したら……)


こんなわけのわからない相談に乗ってくれる人が果たしていただろうか。


「むぅ……あっ!」


遠子はハッとして顔をあげた。

ひとりだけいる。
まさに灯台下暗し。白臣だ。

白臣は二年前にイタリアから帰ってきて、カノーロ本社で働いているのだ。
昔から白臣は遠子に優しく、遠子も彼を兄のように慕っている。実際身内同士の問題のようなものだ。
遠子の相談にも真摯に向き合ってくれるに違いない。


(よし、さっそく連絡をとってみよう……)


ほんの少し光明が見えてきた気がして、遠子の気持ちは少しだけ軽くなった。


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